プロコンポンプ取扱説明書
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安全対策をよく把握し、指示された予防事項や安全操作に必ず従って下さい。
下記のシンボルと見出しがあるときは、人的損傷や物的損傷の可能性があるので特に注意して下さい。
指示に従わないと、死亡または重傷者が出ます。
指示に従わないと、死傷者が出たりする可能性があります。
指示に従わないと、負傷者が出たり、ポンプ、装置が破損する可能性があります。



プロコンポンプを安全にと使用いただくために


●プロコンポンプの設置や操作の前に、次に示す注意事項を読み、指示に必ず従って下さい。

可燃性のある液体や危険性の高い液体をポンプで使用しないで下さい。
ポンプは設計上、可燃性のある液体や危険性の高い液体には対応していません。
このような液体をポンプで使用し、その液体が漏れると、火災、疾病、環境汚染などの各種の危険性があります。
液漏れするポンプを使用しないで下さい。
ポンプの液漏れが発生したら、すぐに使用を中止して下さい。ポンプのモータ電源を切り、液体を排出します。液漏れするポンプは、それ以上使用できないため、交換を行って下さい。
ポンプの液漏れ及び破損を防ぐためにポンプの空運転をしないで下さい。
ポンプの空運転により、内部部品の損傷や摩耗が起こり、性能が低下する可能性があります。また、メカニカルシールが破損し、ポンプから液漏れが起こる可能性がありますので水を入れてから運転して下さい。
吐出管が密閉された状態でポンプを運転しないで下さい。
吐出管が密閉または閉塞された状態でポンプを運転した場合、安全弁がないと、圧力が危険レベルに達する可能性があります。また、ポンプの加熱により、内部部品が急速に摩耗したり、メカニカルシールが破損する可能性があります。
プロコンの安全弁は、設計上、短い時間でしか超過圧力からポンプを保護できません。プロコンの安全弁は、流量制御弁として使用しないで下さい。
ポンプで水以外の液体を移送しないで下さい。
水以外の液体(油、純水、超純水等)を移送した場合、肉部部品が急速に摩耗したり、メカニカルシールが破損する可能性があります。
ポンプ周辺の床は濡らさないようにして下さい。
ポンプ周辺の床を濡らさないように注意して下さい。液体が床にこぼれたら、すぐに拭き取って下さい。 床が濡れていると、滑って転ぴ重傷を負う可能性があります。
床が濡れているときはポンプに触れないで下さい。
ポンプはモータで動きます。床が漏れているときにポンプに触れると、感電死する可能性があります。 地絡遮断(GFI)形のサーキット・ブレーカを使用すると、安全性が向上します。
子供への安全配慮
子供やポンプの操作方法を知らない人は、ポンプとその配管系に近づけないようにして下さい。子供は装置の危険性を理解できません。
子供にポンプで遊ばせたり、ポンプを操作させたり絶対にしないで下さい。

●非常時に対する準備

  • 火災、傷害などの非常時に対する準備を整えて下さい。
  • ポンプとその配管系の近くには、救急箱と消火器を常備して下さい。
  • 電話の近くには、医師、救急サーピス、病院、消防署などの非常時の電話番号をメモしておいてください。
  • モータの場所と電源の切断方法を確認しておいて下さい。

●雇用者の注意

 雇用者には、次の責任があります。

  • ポンプの安全な操作方法を従業員に徹底させる。
  • このカタログの安全対策を従業員に徹底させる。
  • ポンプやその他の装置を安全に操作できるように、十分に従業員を教育する。
  • ポンプを正常な運転状態に維持します。ポンプに勝手な変更を加えると、ポンプの機能と安全性が低下します。
  • プロコンの安全事項を従業員に伝える。


モータの取扱いについて


  • 停電したとき、作業を行なうときは必ず電源を切って下さい。感電のおそれがあります。
  • 運搬・設置・配管・配線・運転・操作・保守・点検の作業は専門知識のある人が実施して下さい。
    感電・けが・火災等のおそれがあります。
  • 電源ケーブルとの結線は、端子箱内の結線図又はモータに張付のシール銘板によって実施して下さい。
    電源ケーブルやモータリード線を無理に曲げたり、引っ張ったり、はさみ込んだりしないで下さい。
  • アース用端子を確実に設置して下さい。
  • 端子箱のカパーを取り外した状態で運転しないで下さい。作業後は、端子箱のカパーをもとの位置に取り付けて下さい。感電のおそれがあります。
  • 運転中、回転体へは絶対に接近又は接触しないで下さい。巻き込まれ、けがのおそれがあります。
  • モータの開口部に、指や物を入れないで下さい。感電・けが・火災のおそれがあります。
  • モータを構成している部分を締結している部品及びねじ類を外さないで下さい。けが・火災のおそれがあります。
  • 破損したモータは使用しないで下さい。けが・火災のおそれがあります。
  • お客様による製品の改造は、当社の保証範囲外ですので、責任は負いません。
  • 銘板が常に見えるように、障害物を置かないで下さい。
  • 銘板は取り外さないで下さい。
  • モータの仕様以外で使用しないで下さい。感電・けが・火災のおそれがあります。
  • モータの周囲には可燃物を絶対に置かないで下さい。火災の危険があります。
  • モータの周囲には通風を妨げるような障害物を置かないで下さい。冷却が疎外され、異常過熱によるやけど、火災の危険があります。
  • 運搬時、落下、転倒すると危険ですので、十分にご注意下さい。
  • 天地を確認の上、開梱して下さい。けがのおそれがあります。
  • 現品が注文どうりのものか、確認して下さい。間違った製品を設置した場合、けが、破損のおそれがあります。


プロコンポンプの特長


  • 特殊な内部素材と独特の設計により、金属間の接触がなく、始動トルクが小さくなっています。
  • 自吸ポンプです。(3600シリーズを除く)
  • 運転が静かで、振動と脈動が小さいポンプです。
  • 圧力の変動にかかわらず、流量をほぼ一定に保ちます。
  • 呼水の必要がありません。

●モデル番号

  • モデル番号は、ポンプの正確な種類と構造を表し、赤い銘板上に記載しております。
    日付コードは、ポンプの製造年月を表し、モデル番号の下側に表示されています。


フロコンポンプの構成部品


●本体

  • ハウジングは黄銅鍛造製か鋳造ステンレス鋼製で、耐久性があります。

●ロータ

  • ロータはステンレス製を使用しています。

●軸受

  • プロコンポンプでは、3つの軸受を使用した耐久性と信頼性の高い構造により、最高の性能を保証しています。

    • 外部のボールベアリングと内部の2つのカーボングラファイト軸受により、構造全体で高い耐久性が保たれています。
    • 外部のボールベアリングは液体が入る部分の外側にあり、メンテナンスなしで長期間使用できるように事前に注油されてシールされています。

●シール

  • ロータの軸は、メカニカルシールでシールされています。

    • 標準仕様のポンプは、ニトリルゴムのOリングを使用しています。標準仕様のメカニカルシールはシール面がカーボングラファイトでシートがセラミックです。
    • エチレンプロピレン、バイトンなども利用できます。

●非金属の内部部品

  • プロコンポンプの主な特長として、自己潤滑性のあるカーボングラファイト部品を使用していることが挙げられます。

    • 内部には、特殊なカーボングラファイト製のベーン、軸受、ライナーを使用しています。
      これにより、始動トルクを小さくし、金属間の接触をなくしています。
    • カーボングラファイトは自己潤滑性があり耐熱性があるため、ポンプの耐用期間が長く、運転が静かです。

●リリーフバルブ

  • プロコンポンプには、リリーフバルブが付いているものと付いていないものがあります。

    • リリーフバルブは、超過圧力が生じたときにポンプを一時的に保護します。
    • リリーフバルブは、仕様に合わせて0.4~1.4MPaの範囲内で出荷時に調整されています。
      規定の圧力に達すると、リリーフバルブにより、吐出側から吸込側の方向へと流れを逃がします。規定の値は平均値なので、ポンプによっては値に多少の上下があります。 実際には、調整よりも約0.3MPa低い圧力でリリーフバルブが開き、流れを逃がしています。設計上、リリーフバルブは吸込口と吐出口の圧力の差に反応するようになっています。したがって、ポンプの吐出口で生ずる最大の圧力は、吸込口での圧力にリリーフバルブの規定値を加えたものになります。
      吐出圧力として最高の1.4MPaが必要な場合は、他社製の外部リリーフバルブを使用するようにして下さい。


プロコンポンプの推奨配管レイアウト


※重要 下記の運転条件を満たしていないと、ポンプが破損したり、耐用年数が短くなるとがあります。

  • ポンプの吸入側へは、ポンプの流量定格より多くの液体供給が必要です。
  • 液体は、ポンプの素材に適合していなければなりません。
  • いかなる粒子も液体に混入させないで下さい。
  • 定格吐出圧力を超えてポンプを運転しないで下さい。
  • ポンプの運転中に、液体の流れを急に止めないで下さい。
  • 動作圧力は、プロコンの安全弁設定値よ0.35MPa低くして下さい。
  • 動作温度65℃を越える用途に対しては、より大口径の吸入配管が必要になります。
  • ポンプの液体除去に圧縮空気を使用する場合は、不純物のポンプ内混入を防止するフィルタをエアーシステムに取り付けて下さい。
  • ポンプ吸入側の圧力は、-0.03~+0.2MPaの範囲にてご使用下さい。

●以下の予防策および配管レイアウトに従うようにして下さい。
ここで示すレイアウトに従えば、ポンプは長期間、故障なく運転できます。




  • 粒子が混入している可能性のある液体の場合は、125ミクロンより大きな粒子を濾過できる微粒子フィルタを使用して下さい。粒子に研磨作用がある場合は、ほとんどすべての粒子を取り除くことのできるフィルタを使用して下さい。
  • 吸入配管には、次に示す内径が最低でも必要です。
    ・1500、1600シリーズのポンプでは3/8インチ
    ・2500、2600シリーズのポンプでは1/2インチ
    ・3600シリーズのポンプでは1インチ
  • ポンプへの液体の供給が不十分(低流量)になる可能性がある場合は、圧力スイッチまたは吸込スイッチを設置して、キャビテーションを避けて下さい。このスイッチは、ポンプの吸入口付近に取り付けて下さい。 3600シリーズの吸込圧力は正圧なければなりません。

    ポンプの運転中に吸入口の圧力が下がりすぎると、このスイッチがポンプのモータを止めます。モータが止まることによって、不十分な液体供給やフィルタ詰まりによるキャビテーションからポンプを保護できます。

  • 上図に示されるように、バイパスの流れは吸入口の供給管に向かいます。ただし、供給タンクから運転中の場合は、安全弁からの流れバイパスは吸入口の供給管ではなく直接タンクに戻すようにして下さい。 吸入口の供給管を使用する場合、ポンプの吸入口から最低30cmは上流の個所にバイパスの流れが戻るようにして下さい。


  • 乱流を最小にするためには、ポンプの吸入口とフィルターや他の構成部品などの間には最低15cmの配管距離を設けて下さい。 配管の素材は、耐食性があり粒子を発散させないものでなければなりません。 柔軟性のあるプラスチック製ホース、銅製またはステンレス製が特に優れています。目地材やテープがポンプの吸入口に入り込まないように注意して下さい。
  • ポンプの吐出側が急に閉塞する可能性がある場合は、外部安全弁を吐出管に設置し、最大値を1.4MPaに設定して下さい。
    1.4MPa以下の設定で、安全弁は突然の過大圧力を防止できるはずです。吐出側が閉塞すると、安全弁は液体を吐出側からタンクや吸入側にバイパスします。配管の長さは、熱を放散でき、ポンプの過熱を妨げるくらい長くなければなりません。
  • ポンプ吐出側の背圧が大きすぎる場合は、1. 4MPa設定の圧力スイッチを設置して下さい。
    この圧力スイッチは、ポンプの吐出口付近に取り付けて下さい。ポンプの運転中に吐出圧高くなりすぎると、このスイッチがポンプのモータを止めます。
    モータが止まることによって、量大圧力からポンプを保護できます。

電磁弁
ブロコンポンプに電磁弁を使用する場合、過大圧力や過小圧力を防止するために次の注意事項を守って下さい。

ポンプのモータを止めるための制御回路に時間遅延要素を組み入れ、電磁弁が閉じる前にポンプを停止できる場合は、電磁弁をポンプの吸入または吐出のどちら側にも取り付けられます。また、時間遅延は、ポンプのモータが始動する前に電磁弁が完全に開くだけの時間的余裕を与えるものでなければなりません。

時間遅延が不可脳な場合は、安全弁より後方のポンプの吐出側に電磁弁を取り付けて下さい。


プロコンポンプの設置


フロコンポンフは、精密に組み立てられた装置です。慎重に取り扱って下さい。
プロコンポンプは、専門知識のある人が設置しなければなりません。


※重要 ポンプを設置するときは次のガイドラインに従って下さい。

  • ポンプを叩いたり、手荒く扱わないで下さい。
  • ポンプからすべての異物を取り除いて下さい。
  • ポンプのハウジングの丸い本体部分を万力で締めたり、工具でつかんだりしないで下さい。取材具の設置では四角の吸込/吐出ボスのみをつかんで下さい。取付具を設置するときは、ポンプがすでにモータに取り付けてある場合でも、Vバンドが曲がるのを防止するために常にポンプを支えて下さい。
  • モータを扱う前に電源が切れていることを確認して下さい。可能ならば、電源オフ状態でロックして下さい。
  • 適切で照明状態の良い作業スペースで正しい工具を使用して下さい。
  • 破損したり変形した構成部品は使用しないで下さい。どの部品も無理な取り付けは行わないで下さい。破損または変形した部品を受けとった場合は、弊社にお問い合わせ下さい。
  • モータを扱う前に電源が切れていることを確認して下さい。可能ならば、電源オフ状態でロックして下さい。

すべてのプロコンポンプは圧力および流量について工場でテストしてあります。
ポンプに安全弁が付いている場合は、仕様に合わせて調整済みです。

※重要 ポンプの安全弁の調整を変更しないで下さい。変更が必要な場合は、弊社にお問い合わせ下さい。

プロコンでは、ポンプを最高の品質に保つために絶えず努力しています。
ポンプを最大限に利用するには、次の手順を注意深く読み、指示に従って下さい。


●ポンプの点検

ポンプを設置する前に、ポンプを注意深く箱から取り出し、点検して準備します。どの種類のポンプでも次の手順を行って下さい。

※重要
  • ポンプを別のモデルと交換しないで下さい。ポンプは、個々の条件と流量に合わせて正確に設計されています。
  • 同じシリーズのポンプはどれも同じハウジングになっています。外観は似ていても、動作は異なることに注意して下さい。設置前に正しいポンプであるかモデル番号を確認して下さい。
  • 間違ったポンプを使用すると、ポンプ、配管系、またはモータが破損する可能性があります。


  • 輸送用の箱からポンプを取り出して下さい。
    取付け具の設置準備ができるまで、輸送用の詰め物はポートから取らないで下さい。
    この詰め物はポンプに細かなくずが入るのを防いでいます。
    ポンプに軸継手がある場合は、それを取り外し、輸送用の発泡材を捨ててから、軸継手を再度挿入して下さい。

    ポンプを扱うときは、落としたり叩かないように注意して下さい。ポンプの軸側などを手荒く扱うと、内部クリアランスが狂ってしまい、ポンプの性能が低下します。
  • 取付け面を点検して下さい。
    開梱中および取扱い中に生じたバリなどを注意深く取り除き、ポンプの位置合わせを正確に行って下さい。

●配管の設置

ポンプをモータに取付けたら、次の手順を行ってポンプ用の配管を設置して下さい。

  • 輸送用の箱からポンプを取り出して下さい。
    ポンプを支えるため、四角のポートボスでパックアップレンチを使用してポンプをサポートして下さい。
    Vバンドに負荷をかけすぎないようにして下さい。

    黄銅製ポンプには黄銅製またはプラスチック製の継手を使用して下さい。ステンレス鋼製ポンプにはステンレス鋼製またはプラスチック製の継手を使用して下さい。異種の金属を使用すると腐食を起こし、それがポンプに入り込み損傷を与える可能性があります。

    継手の取付にテフロンシールテープを使用する場合、テープがポンプの中に入らないように注意して下さい。また、継手の締めすぎにも注意して下さい。

    ポンプとの配管接続ネジを、下記トルクにて締め付けて下さい。
    1. NPT3/8の場合:20.0~25.0N・m
    2. NPT1/2の場合:25.0~30.0N・m
    3. NPT1"の場合:29.4~34.3N・m
  • 吸込管路を確認して下さい。
    吸込管路がポンプの吸込口への流れに適切な大きさであることを確認して下さい。1500、1600シリーズでは3/8インチ、2500、2600シリーズでは1/2インチ、3600シリーズでは1インチの径が必要です。

    吸込管路が清浄で適切に洗われていることを確認して下さい。ポンプを100メッシュ以上の細かいストレーナかフィルタで保護して下さい。
  • 吸込管路をポンプの継手に接続して下さい。
  • 吐出管路をポンプの継手に接続して下さい。
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